青い鳥と不協和音

魔動護鞘・ハクサン

基本取引価格:22500
知名度
13
形状
鯉口に盾と杭、(こじり)勢車(はずみぐるま)がついた大型の鞘。
カテゴリ
〈盾B〉
製作時期
現在
概要
抜刀攻撃の威力を高める機械仕掛けの鞘、盾を兼ねる
効果
可変調整

 この防具は「用法:1H」「用法:1H両」の〈ソード〉であれば、何れの場合もその武器の鞘として機能します。

装備制限

 《武器習熟A/ソード》を習得していなければ装備できません。

試製魔動蒸気式射出機構(プロトマギ・パイル)
フレーバーテキスト

 取り付けられたマギスフィアを駆動させて蒸気を発生、それによってピストンを動かし、回転運動へと変換して勢車(はずみぐるま)に運動エネルギーとして貯蓄しています。トリガーを引くと、溜め込んだ運動エネルギーを鯉口に取り付けられた小型の杭へと伝達。爆発的に加速される杭に押される形で、収められた〈ソード〉を射出します。これによって、より鋭い居合ができるでしょう。技量が高い者が持つことで、速度をより効率よく威力に変換することができます。
 消費するマナは次の射出に備えて利用されるのであり、射出そのものとは関係はないようです。

 この防具を鞘として〈ソード〉を納めている場合のみ、MPを3点消費することで使用することができます。
 そのソードによる次の近接攻撃の威力を2高いものとします。威力を増加する効果は、この効果を適用した〈ソード〉とこの防具を同時に装備している場合のみ発揮されます。
 この効果は手番が終わることでも自動的に解除されます。また、1ラウンドに1回しか使用できません。

今は脆き守護の盾(ハクサン・バックラー)
フレーバーテキスト

 対閃光防御として鯉口付近に取り付けられた展開式の小盾です。強度が高いとは言えず攻撃を受け止めるのには使えませんが、視界を塞ぐ泥や体液、また閃光に反応して瞬時に展開し、装備者を保護します。

 装備者が「盲目状態とする効果を内包した特殊能力やアイテム」または「光が関係し、命中力、回避力にペナルティを与える特殊能力・種族特徴」の対象になった際に、MPを3点消費することで使用することができます。
 抵抗の結果に関わらず、装備者が受ける効果を無効にします。但し、ダメージを伴う場合はダメージは無効化されず、抵抗の結果に従います。

公式に存在する「光が関係する命中・回避ペナルティを与える特殊能力・種族特徴」の例

・ソレイユの「輝く肉体」
・ゴールドフェイスの「フェイスフラッシュ」
・ドムズヴァーの「咎める閃光」
・スプライトの「閃光」

 

マギスフィアの装着

 この防具には〈マギスフィア(小)〉がひとつ装着されており、装飾品として装備したものと同様に、装備者(術者)が魔動機術の行使に用いることができます。例外的に、【グレネード】の行使には使用できません。
 また、この防具には〈マナカートリッジ〉を装着することはできません。
 

用法必筋回避防護備考
1H 15 +1 0

由来・逸話

 魔域で遭遇した謎の魔動機「ハクサン」に着想を得たキサラギによって開発された魔動機仕掛けの鞘です。機構のために、収める刀よりも遥かに大型になっています。各部が金属で補強されつつも、鮫皮巻きと呼ばれる優美な装いも施されています。また、外面の美しさと整備性を両立すべく、入れ子鞘になっています。全体にレモンイエローをあしらい、差し色としてスカイブルーが使われています。
 蒸気と勢車(はずみぐるま)を利用した射突杭(パイルバンカー)を備え、それを利用して高速での抜刀を実現します。この杭で攻撃もできそうに思えますが、僅か2cmという短さではとても攻撃に使えるものではありません。
 取り付けられた盾は鞘を手に持った際に機能するように意図されており、こちらも魔動機仕掛けで瞬時に展開するようになっています。小さく、また強度が不足していることから、攻撃を受け止めるのには使えず、バックラーとしての運用や視覚への攻撃を防ぐに留まります。
 色々と粗も多く性能も高いとは言えませんが、これはまだ萌芽。夏の日差しを耐え抜き、いずれ大輪の花となる最初の一歩です。

R-9DP ハクサン

 狙撃機系列の末代に当たる機体です。開発母体としての優秀さから、狙撃砲に留まらず様々な大型武装を搭載する母体となったR-9Dですが、ここにきて何を間違えたのか、パイルバンカーと呼ばれる射突杭を装備しています。大物殺し(ジャイアントキリング)を意図しており、またレーザー攻撃に対して耐性を持ち始めた"彼ら"への対抗手段として選出されたものでしたが、開発者の趣味が多分に含まれていることが伺えます。装備された"盾"は、パイルバンカーで倒した敵の肉片などをエアダクトに吸い込まないためのものであり、この時点では防御性能を持ちませんでした。
 結論から言えば、ハクサンの評価は散々なものでした。被弾に弱いにも関わらず、目と鼻の先まで近づかなければパイルバンカーは当たりません。その割に、威力も高くはありません。精々中型を倒すのが精一杯でした。このような機体を誰が使うのでしょうか。期待から一転、駄作の誹りを受けたハクサンとその開発プロジェクトは大幅縮小・予算削減を余儀なくされました。
 ですが、開発者は諦めませんでした。ハクサンでは無理でも、その後継機で必ず見返すのだと。長い、長い雌伏の時が始まります。

製作者:M140A3