解説

　コットンクラウンは、パマナビーと大変良く似た生物で、頭部に白い綿毛のようなものを載せて見えることだけが異なっています。
　よく似ているのも道理で、これはパマナビーに特殊な菌類が寄生したものです。この菌は、節足動物に寄生する主であり、もっとも宿主として利用しているのがパマナビーです。
　規制されたパマナビーは、より多くの栄養素を集めるために貪欲で狂暴な性質を持つようになり、肉食も始めます。ネストガード以外の本来はおとなしい働き蜂たちも、他の生物を見境なく襲うようになります。
　寄生された蜂は、めったに帰巣することなく、単独での行動が目立ちます。しかし、稀にこれが巣に帰り、巣全体を汚染することがあります。そうなると、大量のコットンクラウが発生し、食い尽くす勢いで周囲の生態系を破壊し始めてしまいます。
　幸いなことに、コットンクラウンの行動範囲は、元のパマナビーのそれからは大きく減衰して、半径1kmにも満たない程度になります。また、菌に冒された女王蜂は産卵能力を失うため、そうした巣は徐々に個体を減らし、やがて衰亡することになります。
　この菌の菌糸は〈コットンクラウンのクッション〉(⇒37頁)の材料として重宝されています。危険を押して、コットンクラウンを狩に草原にい入る者も存在します(それらは、パマナビーの巣もめあてにしていることが大半です)。