名家令嬢。兄が2人おり、彼女は家の中の初めての女の子であった。そこから全て始まったと言えなくも無いが。
　上2人がしっかり後継になれる事、待望の女児だった事から両親が蝶よ花よ甘やかし、兄2人も節度はあったもののそれなりに甘やかした事から、幼少期は我儘娘として育つ。
　政治闘争とも離れて暮らしを送っており、勉学も程々ではあったが、自由奔放な日々を過ごしていた期間が非常に長い。
　転機は9歳の頃。家族旅行の際、旅行先が蛮族からの集団により襲撃を受ける。
　護衛を雇っていた事により、家族は事なきを得たのだがパトリツィア本人は奔放さ故に1人で遊びに出ていた所、蛮族に見つかり瀕死の重傷を負う。
　心臓を抉り出される刹那、高位の冒険者により救出。同時に治療を受けた事で後遺症もトラウマ以外は無く、無事生還する。
　以後、家族も行き過ぎた奔放には苦言を呈し、時には叱る様になりつつ本人もまた、素行を正し始める。
　健全な家族関係になりつつも数年前、大喧嘩に発展する。
　彼女は自らルガーフェルの冒険者学校に通う事を志望し、両親達は名家令嬢の通う女学院に彼女を入れようとして互いに猛反対になった。
　とはいえ、両親はあくまで冒険者という職業の危険を承知しているからこその反対であり、またパトリツィア本人も思春期の反抗心は含みつつも反対される理由は理解している。
　半ば喧嘩別れの様になりつつも、家族とは定期的に手紙でやり取りしており、必要最低限(子煩悩並感)の仕送りも受け取っている。ただ、仕送りには基本手をつけず、自力で物品や装備、生活費他を支払っている。…無論、全く使わない訳ではないが。
　他人からの誤解を招く事を恐れないきらいがあり、尚且つ才能ある人間としての自負から自信に繋がっているのだが、その為他者からは時折高慢に思われたりする場合が多い。それでいて成績は高いので、周りに敵も多い。
　そういった事情を気にしないからこそ、より一層嫌われ者の位置に収まりやすい節がある。
　酒にべらぼうに弱い。上記のツンケンとした気難しい特徴が全て吹き飛ぶくらいには、酒を飲むと直ぐに泥酔して愉快になる。